まず初めに外壁塗装の乾燥時間は、仕上がり・耐久性などに影響出るため、とても重要な項目です。
そして、各メーカーが出している塗料によって乾燥時間が決まっています。
早く施工を完了させるたい、などの要望をお持ちのお客様もいらっしゃいますが、この乾燥時間を適切に守らないと仕上がりに大きな影響が出ます。
本記事では、
・なぜ、乾燥時間を設けなくてはいけないのか?
・乾燥時間を設けないとどういう悪影響が発生するのか?
について解説いたします。
目次
外壁塗装の乾燥時間で仕上がりや耐久性に影響が出る
塗料を乾燥には様々な意味が含まれますが、最大の理由は『下塗り・中塗り・上塗り』塗装の役割にはそれぞれ違いがあり、特徴を最大限発揮させるためです。
簡単にまとめると、耐久性・美観などの役割を果たすために、塗装は3回塗るのが基本となっています。
下塗りは、建物と塗料とを密着させ
中塗りは、上塗り塗装のムラを無くすため
上塗りは、雨や紫外線などから外壁本体を守る
そして、その役割を最大限発揮させるために乾燥時間を設け、各3回塗装の密着度・ムラの無さを整える必要があります。
塗料が乾燥するまでに気をつけたい注意点
乾燥時間を守らず進むと様々なトラブルが起きてしまいます。
・ 塗装が剥がれやすくなる
・色のムラがでる
・表面のべたつき
・美観の低い仕上がりになる
乾燥がおこなわれていない状態だ塗料を重ねると、剥がれやヨレ、ムラが生じるため外壁の美観が失われてしまいます。
雨の日や湿気の高い梅雨の季節に外壁塗装工事をおこなう場合は、乾燥が不十分になってしまう可能性が高いので注意したいものです。
外壁塗装の乾燥時間の基準は、塗料の種類で変わる
外壁塗装の乾燥時間は、気象条件や塗料の種類、塗装する部位の種類や厚みなどによって異なりますが、一般的には以下のような目安があります。
・水性塗料の場合:1~2時間程度
・油性塗料の場合:4~24時間程度
・シリコン系塗料の場合:4~24時間程度
ただし、気温や湿度が高い場合や、塗布する面積や厚みが大きい場合、乾燥時間が長くなることがあります。
また、塗料の種類によっては、乾燥時間だけでなく塗り替えるまでの期間や、再塗装が可能な期間にも注意が必要です。
塗料メーカーの指示に従い、適切な乾燥時間を確保するようにしましょう。
塗料メーカーによって乾燥時間が変わる
外壁塗装の乾燥時間は、塗料の成分だけで決まるわけではありません。最も大切なのが使用するメーカーごとの種類によっても乾燥時間が変わることです。
それぞれのメーカーには、様々な性能が含まれた成分を調合しているため、遮熱性・耐候性・防カビ性など特徴が変わります。
よって、メーカーが販売している塗料ごとに乾燥時間は異なります。
今回は、当記事を公開しているぬりかえ専門館が、現場でよく使用している塗料を題材にそれぞれ塗料の乾燥時間を紹介いたします。
今回上げた塗料以外にも、性能の良い塗料はたくさんありますので、気になる方は実際に施工してもらう業者の担当者に相談するようにしましょう。
日本ペイント パーフェクトトップ | ||
工程 | 乾燥時間 | |
モルタル
コンクリート |
下塗り:1回
上塗り:2回 |
4時間以上
3時間以上 |
窯業系
サイディングボード ALCパネル |
下塗り:1回
上塗り:2回 |
3時間以上
3時間以上 |
高意匠
サイディングボード |
下塗り:1回
上塗り:2回 |
4時間以上
3時間以上 |
付帯金属
金属パネル\外壁 |
下塗り:1回
上塗り:2回 |
4時間以上7日以 3時間以上 |
関西ペイント ダイナミックTOP,フィーラー |
||
コンクリート
モルタル サイディング窯業系 ALC |
工程 | 乾燥時間 |
通常仕様 |
||
下塗り
上塗り1回目・2回目 |
8時間以上7日以内
2時間以上7日以内 |
|
湿潤・高湿度環境仕様 |
||
下塗り
上塗り1回目・2回目 |
16時間以上7日以内
8時間以上7日以内 |
菊水 キクスイロイヤルシリコン | ||
工程 | 乾燥時間 | |
モルタル
コンクリート 各種旧塗膜下地 |
下塗り:1回
上塗り:2回 |
4時間以上
3時間以上 |
窯業系サイディングボード 下地 |
下塗り:1回
上塗り:2回 |
3時間以上
3時間以上 |
エスケー化研 プレミアム無機 | ||
工程 | 乾燥時間 | |
モルタル
コンクリート |
下塗り:1回(薄付け仕上がり)
下塗り:1回(厚付け仕上がり) |
3時間以上
4時間以上 |
窯業系サイディング | 下塗り:1回 | 3時間以上 |
サイディング
(光触某媒コーキング 無機コーキング含む) |
下塗り:1回 | 6時間以上7日以内 |
共通 | 上塗り:2回 | 2時間以上 |
塗料、天候、季節によって異なりますが、塗料乾燥時間の平均は温度23℃前後で3時間~6時間程度です。
下塗り・中塗り・上塗りで乾燥時間かわる
下塗りの乾燥時間
外壁塗装の下塗り塗装は、建物と塗料とを密着させる重要な工程です。
下塗り塗料で使用する塗料には、シーラー系、フィーラ系、防水系などさまざまな種類があります。
シーラー系塗料は乾燥時間は2〜3時間くらいです。
フィーラ系塗料は乾燥時間は4〜6時間くらいです。
防水系塗料は約16時間必要となります。
下塗り塗料は使用する塗料によって乾燥時間が異なります。
中塗りの乾燥時間
下塗り工程が終わったあと4時間ほど乾燥させたら、7日以内に次の中塗り塗装をします。
下塗りと上塗りに比べて塗料の粘度が高めのものが使用され、厚みを出すことで下地を均等に整えます。
このため、中塗りが不十分だと、下地のムラや凹凸がそのまま上塗りに反映され、仕上がりにムラや塗膜の厚みの偏りが生じることがあります。
最終仕上げとなる上塗り塗装をより適切に施工するためにも、しっかりと乾燥時間も守ることが必要です。
メーカーや気温・湿度によっても可ありますが、中塗り塗装の一般的な乾燥時間は、
・水性塗料の場合:2~4時間程度
・油性塗料の場合:12~24時間程度
・シリコン系塗料の場合:12~24時間程度
となります。
上塗りの乾燥時間
中塗りと上塗りは同じ塗料を使います。
水性塗料と油性塗料を使用します
下塗り、中塗り同様に気象条件や塗料の種類、塗装する部位の種類や厚みなどによって乾燥時間は変わりますが一般的には
・水性塗料の場合:4~24時間程度
・油性塗料の場合:24~48時間程度
・シリコン系塗料の場合:24~48時間程度
が必要とされています。
なので、1日で下塗り➡中塗り➡上塗りを一気に仕上げることはありません。
下塗り、中塗り、上塗りを1日で仕上げてしまう業者もいるかもしれません。
その時は工程表を見せてもらい、乾燥時間など1日1工程になっているかを確認しましょう。
天候、季節によっても変化する乾燥時間
外壁塗料の乾燥時間は、気象状況によって大きく影響を受けます。気温や湿度が高いと乾燥が遅くなり、逆に気温や湿度が低いと乾燥が早くなります。また、風速や日射量、降雨量なども乾燥時間に影響を与えます。
特に気温が高く湿度が高い場合は、塗料が乾燥する前に表面が乾燥し、塗膜にクラックや割れが生じたり、塗膜が剥がれることがあるため、注意が必要です。逆に気温が低く湿度が低い場合は、乾燥が早くなるため、塗料が十分に乾燥する前に次の工程に進むと、塗膜にムラや傷が生じることがあります。
また、天候によっては風が強くなり、外壁に泥やほこりが付着してしまう場合があります。このような場合は、再度洗浄を行い、表面をきれいにしてから塗装することが重要です。
雨や雪の天候の崩れによって乾燥時間がこと案る
基本的に雨の日は塗装工事は行いません。
乾燥中に突然雨が降ってきた場合、塗装が剝がれてしまったり、水滴が混ざりキレイな仕上がりにならない場合があります。
そのため、外壁塗装を行う際は施工時期、時間帯、天候のチェックを事前に確認し、問題がないようにスケジュールを組みます。
季節の気温や湿度によって乾燥時間が異なる
塗料は気温23℃を基準に乾燥時間の設定をしています。
気温が低いと乾燥時間も長くなります。
気温5℃以下、湿度85%以上では、原則塗装作業はできません。
ただし、気温が5℃以上で、湿度も85%以下なら、冬や梅雨の季節でも塗装工事は問題ありません。
冬の季節や梅雨の季節は、乾燥時間に時間がかかるので、工期が延長する可能性がありますので、十分な乾燥時間を考慮したスケジュールになっているかご確認ください。
まとめ
外壁塗装の乾燥時間を守らないと
・仕上がり、美観の低下
・耐久性の低下
・使用塗料の機能の低下
などの悪影響を引き起こすため、必ず守る必要がある重要な内容です。
また、気温や湿度、塗布する面積や厚みでも乾燥時間が変わるため、少しの知識と技術力でも仕上がりに大きな差が生まれてしまうこともあります。
ぬりかえ専門館では、外壁塗装の乾燥時間や使用塗料の特徴などについての説明は必ずしたうえで、
施工完了後にはそれぞれ適切に塗装がされたことが分かる写真付きの施工完了報告書を提出させていただきます。
外壁塗装をどのような業者に依頼すればいいのか?不安を抱えている方は、お気軽にぬりかえ専門館の問い合わせフォームまたは、お電話でお気軽にご相談下さい。
乾燥時間のみならず、施工業者を選ぶ際は、工期や工程を丁寧に説明してくれて、安心して任せられる業者を選びをしましょう。