外壁や屋根の塗装を行うの中で、耐久性を長く維持させるために「シーリング」「コーキング」と言われる作業はとても重要な工程になります。

実際にこの2つのワードは塗装を検討される際によく聞く専門用語です。

 

本記事では、

シーリング・コーキングはどのような役割があり、どれほどの重要性がるのか?

シーリングとコーキングの違いは何か?

について、紹介いたします。

 

シーリングとは?

シーリングとは、気密性や防水性能を保つために用いられるペースト状のもので、外壁や屋根などのひび割れの隙間を埋め、「衝撃を吸収する」「建物の防水性を高める」などといった役割を持つ、ゴムのような材料です。
例えば、お風呂の浴槽の縁・玄関やサッシの枠・外壁やタイルの目地など建物内外、などにシーリング施工がされています。雨漏りが起きた場合劣化箇所をシーリング材でうめることで、応急処置もできます。

シーリングが剥がれたり、劣化すると、雨漏りを起こしたり他の劣化症状を招いたりします

点検をして劣化症状が軽いうちにメンテナンスをしましょう。

 

よく聞くシーリングとコーキング、違いはなにか?

結論、シーリングとコーキングの違いはなく、呼び方が違うだけでどちらも同じものとして扱われています。

細かく言うと、シーリング材」「油性コーキング材」として日本工業規格(JIS)で違うものとして定義付けられております

しかし、現在では油性コーキング材はほとんど使用されなくなり、過去に油性コーキング材を使用していた箇所のシーリング工事をコーキングと呼んでいるのです。

過去の名残から「コーキング」という言葉が現在でも存在し、シーリング材との違いはなく、使用している材料も同じものになります。

なので、シーリング材とコーキング材における「材料」「費用」「施工方法」の違いも変わることはありません

 「シーリング材」「油性コーキング材」の定義

〇シーリング材(建築用は、JIS A 5758で規定)

構造体の目地、間げき(隙)部分に充てん(填)して防水性、気密性などの機能を発揮させる材料

 

〇油性コーキング剤(建築用は、JIS A 5751で規定されていたが、現在は廃止)

展色材(天然樹脂、合成樹脂、アルキド樹脂など)と鉱物質充てん剤(炭酸カルシウムなど)を混合して製造したペースト状のシーリング材。

相対変位の小さな目地のシールに使用される。鉱物質充てん剤として、石綿は、現在使用が禁止されている。

 

なぜ、シーリング材(コーキング材)は必要なのか?3つの役割について

外壁・屋根など塗装工事を行うにあたり、具体的にシーリングはどのような重要性があるか確認していきましょう。

 

 ①外壁のひび割れを防ぐ

サイディング外壁やコンクリート外壁など、硬い外壁材を直接固定してしまうと、気温変化での膨張地震による揺れなどに対応できず、外壁材にひびが入ったり、歪んだりしてしまい、本来の外壁の耐久性がなくなります
そのような外壁と外壁が直接接触するのを防ぐために、隙間の「目地」と呼ばれる部分にシーリング材を充填し、緩衝材として役割を持たせる目的があります。まとめると、 様々な衝撃から住宅設備を守り、建物の資産価値を守る重要性があるということになります。

 

参考記事➤➤ 外壁のひび割れ原因と補修対処法について

 

②接着剤として活用する

シーリング材は接着性を活かし、建材を固定する役割として活用する場合もございます。

屋根工事では、屋根の棟板金といわれる、スレート屋根(コロニアル系)の一番尖った部分に被せる金属の山形の板が飛んでいかないように釘で固定しますが、

その釘が飛散するのを防ぐために、打ち込んだところにシーリング材を打ち込んだりもします。

また、瓦屋根のずれを補修する際には、接着剤として使用する工法などがあります。

 ③建物の防水性を高める

最後にシーリングは防水性を活かした、建物のへ雨漏りや漏水を防止する役割があります。

建物には外壁と外壁の繋ぎ目や、外壁と窓のサッシの繋ぎ目など様々な“隙間”があり、

そういった隙間から水が浸入し建築構造を支える骨組みなどの基礎部分に悪影響を与え、住宅設備の寿命を短くする恐れがあります。

 

参考記事➤➤ 外壁の防水で家の寿命はどれだけ延ばせるのか?外壁防水の重要性について

 

シーリング(コーキング)の種類と特徴


シーリングには、いくつかの種類があり、それぞれ用途によって使い分けを行っていきます。

基本塗装業者がシーリングの種類を間違え、使用することはありませんが、万が一間違った使用方法をされると致命傷を受ける可能性もあるので、いくつか種類と役割を覚えておきましょう。

 

 変成シリコン

変成シリコンは、耐候性・塗装性に優れており、水まわりでも使用できる万能シーリング材になります。

シリコン系より耐久性が低く、ウレタン系に比べて密着性は劣るという点がありますが、硬化後別の塗料が塗れることから外壁塗装で使用されるシーリング材になります。

 使用用途

・ALC、窯業系サイディングなどの外壁

・窓サッシ

  シリコン系

シリコン系のシーリング材は、耐候性・耐水性・耐熱性に優れているのが特徴で水まわりのシーリング材で最も活用されています。
しかし、シリコン系シーリング材はシリコンオイルが出ることから水を弾いてしまい、別の塗料を上塗りすることは出来ません
よって、外壁塗装では基本的に使用しないシーリング材になります。

  使用用途

・ガラスまわり
・屋根瓦
・キッチン、洗面台、浴室、浴槽

ウレタン系

ウレタン系のシーリング材は密着性・耐久性が非常に高く、硬化すると弾力性を持つため、外壁のひび割れや目地補修に使用されます。
ただし、太陽の紫外線などの耐候性が低く、ウレタン系のシーリング材を外壁のひび割れなどに施工した後はその上から塗装をし保護する必要があります。

 使用用途

・コンクリート
・ALC、窯業系サイディングのなどの外壁
・窓枠まわりの目地
・排気口、通気口まわり

 

 アクリル系

アクリル系のシーリング材は、水性タイプで作業性に優れています。また、価格も低単価で過去ALC外壁のシーリング材として普及していました。

しかし、硬化後に肉やせが起きたり、耐候性・耐久性が低く、現在新築ではもちろん、外壁塗装やリフォームなどでアクリル系のシーリング材を選ぶ方はほとんどいません。

 使用用途

・ALC、スレート、金属目地(棟板金など)
・塗装、クロスの下地処理

 

 

塗装業者に依頼する際に知っておきたいシーリング材の豆知識情報

恐らくこの記事をご確認いただ方の中には、現在屋根や外壁などの塗装を業者に依頼、またはDIYで補修を行うことを検討されている方がいると思います。

もし、塗装業者に依頼することを検討されている方のために、抑えておくべきシーリング材の豆知識情報を記載しておきます。

 

 種類と特徴を理解する

上記、シーリングのシーリング(コーキング)の種類と特徴で触れたとおり、様々な種類と特徴がシーリングにはあります。

変成シリコン”や“シリコン系”など似たようなものもありますが、特徴は全く違うため、仮に間違った施工をしてしまうと、逆に住宅設備の寿命を短くしてしまうケースがあります。

 

 実際にシーリング材(コーキング材)を依頼するタイミングは?

シーリング材は劣化すると、その他の箇所で予期せぬ劣化症状を招く場合があります。劣化が連鎖することで、本来塗装業者に支払う費用が増額するケースが良くあるため、おすすめはシーリングの劣化を早急に発見するために、少しでも気になったタイミングで外壁屋根診断を行うのがいいでしょう。

また、可能であれば信頼できる塗装業者に定期的に診断をしてもらい、症状が軽いうちにメンテナンスをしてもらいましょう。

 

 塗装業者に診断、メンテナンスを依頼する際には外壁と屋根一緒に行う

シーリングの劣化が発覚し、業者に診断をしてもうら際には、普段確認が出来ない屋根や外壁の高層部分なども診断してもらうようにしましょう。 そのような箇所は思わぬところで住宅設備の寿命を短くしているケースもあります。

また、外壁塗装と屋根塗装を別々に依頼するよりまとめて依頼する方が、足場代などの費用が別途かからないため、コストを抑えて依頼することが出来ます

 

まとめ

シーリング(コーキング)についてここまで読んでいただきありあがとうございました。

これまでの記載させていただいた内容の通り、住宅設備の寿命を少しでも長くし、安心安全な生活を送るためにもシーリング施工はとても重要な工程になります。

 

また、今回はシーリング(コーキング)について解説いたしましたが、外壁屋根塗装ではそれ以外にも重要な施工はたくさんあります。少しでもご興味ある方は別の記事、またはぬりかえ専門館の一級塗装技能士にご相談ください。

 

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