大切なご自宅の外壁をふと見たときに、
「外壁がボロボロに剥がれてしまっていた!」
そんな経験をされた方もいらっしゃると思います。

外壁は当然、年月が経つにつれ劣化をします。
そして平均10~15年を目安に塗装のメンテナンスが必要とされています。
劣化の症状には様々ありますが、一番わかりやすいのが外壁の塗膜が剥がれボロボロになっていることです。

この記事では、そんな時の対処法と理由を解説していきます。

家の外壁がボロボロになる症状は「凍害(とうがい)」と言う

外壁がボロボロになってしまう理由の一つとして「凍害(とうがい)」があります。
このような現象はどのようにして起こるのでしょう。次に原因を解説します。

外壁に現れる凍害被害

外壁には、紫外線や雨水などの外的要因を守るための塗装がされています。
塗装された外壁には樹脂の塗膜が形成され、外壁材を守るコーティングがされてるため、耐久性が向上する仕組みです。

しかし、塗膜も経年劣化により、徐々にコーティングの効力を失っていきます。

そして直接紫外線や雨水の影響を受けることによって、
外壁材は凍害を引き起こしやすくなります。

凍害からつながる様々な劣化症状

凍害で外壁がボロボロになってしまった際、そこの箇所の被害だけではなく、その周りにも悪影響を引き起こしてしまう可能性が生まれます。
では、凍害が発生してしまった外壁には、実際どのような劣化症状が起こるか?紹介していきます。

木下地の腐食

凍害でボロボロになった外壁の隙間から内部へ水分が入ってしまうと、内側の防水シートや木下地が腐食してしまう可能性があります。

コケ・カビの繁殖

凍害は起きたことにより、直接的に劣化する項目ではありませんが、凍害は、雨水が乾燥せず、外壁材が水分を吸収することから発生します。

なので、凍害が起こりやすい場所=湿度の高い場所
とも考えられるため、その様な場所に繁殖するコケやカビの悪影響も同様に発生する可能性があります。

どうして壁はボロボロになるのか?外壁の凍害は水分が原因

結論、凍害の原因は外壁材に余分な水分が含まれてしまうことが原因です。

凍害の劣化が起こるには流れがあり、大枠の流れは、

①紫外線を浴びた塗膜樹脂は徐々に劣化
②防水効果など外壁材の保護強度が失われる
③外壁材が表面に現れひび割れが起きる
④雨天時に水を吸い込んでしまう
⑤冬の季節などに雨水が外壁内で凍る
⑥氷によって圧迫され外壁が割れ、凍害が発生する

となります。

簡単にまとめると、外壁は常に雨水や紫外線を浴びていおり、外壁に含まれる水分が凍結と融解を繰り返すことが原因で凍害が起こるのです。

防水効果が失われた外壁の期間を長いと「凍害」が起こりやすくなり、最悪場合大掛かりなリフォーム工事が必要となります。

凍害が起こりやすい外壁の場所

上部で述べた通り、凍害は水分が原因なため、起こる外壁部分は湿度の高く乾燥しずらい箇所となります。

なので、凍害が起こりやすいポイントは絞りやすくなるため、下記の項目を参考にご自身のお家もチェックしてみてください。

浴室・脱衣所の窓回り

浴室近くの外壁は常に湿度が高く、窓からの結露により、外壁材に水分が含まれやすいため凍害を引き起こす可能性が高くなります。

また、浴室は夜に使用される機会が多いため湿度が上がりやすく、そこから気温が下がる夜中に向かっていくため、最も凍害が起こりやすい場所です。

外壁の北面

理由としては、日当たりがあまりよくないため雨水などが乾きにくく濡れた状態が長く続くため、夕方や夜の気温が氷点下になると凍害が起こりやすくなります。

幕板

1階から2階の中間にある、写真の赤い丸の箇所が幕板と呼ばれます。
幕板は、上部から雨水などが侵入しやすく、裏に水分が回り込むと乾燥しにくいため

水分が逃げずらい場所のため凍害が起こりやすくなります。

凍害が発生するまでの流れ      

では、どのようにして凍害が発生するのでしょう。凍害が発生するまでの新築時から凍害が発生する数年後までの流れを解説します。

 

新築時
外壁材は塗装により保護されているため、外壁材の内部に水分が侵入していくことはありません。綺麗な状態です。

 

数年後
建物は常に太陽光の紫外線や雨・風により劣化していきます。紫外線を浴びた塗膜樹脂は徐々に劣化し、防水効果など外壁材の保護強度が失われます。
そして、些細なひび割れが生じることで、外壁内部に水が侵入します。

 

放置した結果

外壁材の内部に侵入した水分は、寒くなると凍結し、暖かくなると解けます。水は凍ると体積が約10%増えるため、外壁材を内部から膨張させます。
このように凍結⇆溶解を繰り返す事で、外壁材はどんどんボロボロに崩れていき、凍害が発生するのです。

 

外壁がボロボロになった際の対処法

外壁がボロボロになってしまうと、塗装だけでの修繕は不可能になってしまいます。なぜなら、水を含んでしまった外壁に塗装しても、塗装後に内部から塗膜を押し出して剥がれてしまったり、膨れてしまうからです。
そのため、状態によっては、部分補修や、外壁の張り替えが必要となります。

塗装業者に現地調査をしてもう

お家の外壁がボロボロになってしまっていた際は、まずプロのリフォーム業者や塗装業者に外壁の点検をしてもらいましょう。
また、大切なことはボロボロになる前にメンテナンスを定期的に行っておくことです。
凍害のメカニズムは外壁材が雨水を吸収してしまうこのため、専門業者に適切に点検してもらうことが最大の対策です。
ボロボロになっていなくても、築5年を目安に、一度点検してもらうといいでしょう。

現地調査時のポイント!見える箇所以外の劣化状況も確認してもらう

凍害の被害を最小限にとどめるためには、適切な点検を定期的に行ってもらうことと解説しましたが、特に点検しておくべき場所は、窓のサッシの下、日の当たらない場所、湿気や水が溜まりやすい所です。
施工実績や正しい知識がある、信頼できる業者を見つけ点検を依頼しましょう。

信頼できる業者に補修作業を依頼

業者に点検依頼を行う際には、以下の事に注意しましょう。

その地域に精通していて、実績があるか?

車でご自宅から1時間圏内の業者ですと素早い対応ができます。実績を確認する際には、ホームページに施工事例が掲載されているのか、またはお客様の声をみてみましょう。

点検にどのくらいの時間をかけるか

点検を行うにあたり、最初にしっかりとヒアリングを行ってくれるかどうかが重要です。
なので、作業時間も含めると30分以上の時間は必要となります。
また、細かく丁寧な点検を行うと必然的に1時間弱はかかるケースが多いため、参考の基準値として認識しておくといいでしょう。

点検時に写真を撮っているか

ほとんどの業者様は写真を撮影し、お客様に説明するための資料を作成します。
資料の共有が無いと工事内容が不明になるため、適切な処理を行わない、悪徳業者の可能性が高いです。

補修作業の注意点!凍害の補修は基本DIYは難しい

米粒程度の外壁表面の凍害であればDIYの塗装のみでも可能なのではないかと思われますが、補修の前に、外壁の汚れを落として下地材を塗るという工程は守らなければならないため、基本的にDIYでの補修は難しいです。
この工程は、塗装の際には必須の工程でこれを守らないとせっかくの塗装がすぐに剥がれてしまうのです。

 

凍害の補修工事の費用相場

選ばれる塗料によって費用相場が変わってきます。塗料別に費用相場をご紹介します。おおよその費用相場を知っておくことで、安い工事で手を抜かれたり、高い工事で損する事を防げるでしょう。

一部欠損補修:2~6万円
サイディングボード一部張替え:8~16万円
モルタルの欠損補修:1~8万円
モルタル下地一部張替え:12~24万円

 

塗装で使用される塗料の耐久性は樹脂の種類で決まります。

「アクリル」→「ウレタン」→「シリコン」→「フッ素」は有機物の樹脂で、耐久性が良いほど費用は高くなります。

アクリルは耐久性が低い為、再塗装で用いられることはほぼありません。

最近人気の「無機塗料」は、ガラスのような紫外線でも劣化しない無機物を有機物と混ぜて製造された塗料で、フッ素を上回る耐久性があります。

35坪のご自宅を補修した場合の塗料別の費用が以下になります。

ウレタン→72万~114万

シリコン→86万~128万

フッ素→107万~147万

無機→116万~169万

おおよその費用になります。実際の費用は坪ではなく面積で出してもらいましょう。

作業の効率が上がるため、凍害箇所以外の補修もまとめて行う方がいい

凍害の発生しやすい箇所として、外壁表面だけでなく、湿気や水分が溜まりやすい窓枠の下やサイディングのつなぎ目等があります。

補修の際、コーキング材と呼ばれる素材でサイディングのつなぎ目を補修してもらうことで、雨水の侵入を防ぐ効果も期待できますので、専門業者にご相談してみてください。

まとめ

凍害によった激しい劣化症状がみられた外壁の補修工事は、塗装のみでの補修が難しいため、莫大な費用がかかってしまいます。なので、早期発見がとても重要になるのです。

その為にも、しっかりと定期的にメンテナンスを行いましょう。築約5年が経つのを目安に行うといいでしょう。

また、点検の際にはプロの業者にお任せするといいでしょう。凍害が見受けられた外壁は、表面だけでなく内部まで拡大している可能性もあります。

劣化症状が起きる前に塗装し、大切なご自宅を長く綺麗に保っていきましょう。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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