外壁塗装工事に必要不可欠と言われる下塗り塗料。
塗装工事において下塗り塗料は絶対に必要です!
一般的に外壁塗装の場合
下塗り(下地)
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中塗り
上塗り (仕上げ塗装)
で完成となります。
下塗り塗料を使わなければ、重大な不具合が発生し塗装工事が失敗に終わってしまう可能性が高くなります。
では実際に、
「どのような不具合が起こるのか?」
「正しく施工してもらうためにはどうしたらいいのか?」
について解説いたします。
目次
下塗りとは?下塗り(下地)塗装の重要性
下塗り塗装には大きく3つ重要なポイントがあります。
1つ1つご紹介していきます。
1)下塗りには、中塗り、上塗りとの密着度を高める役割
上塗り塗料をそのまま外壁に塗っても塗装がボロボロと剥がれてしまいます。
その為、下塗り塗料を塗ることで外壁と上塗り塗料を密着させる接着剤のような役割を果たします。
下塗りが非常に大事になります。
2) 補修・補強する役割
ひび割れや浮き剥がれなどを下塗りを使うことで傷んだ外壁に塗料が吸い込まれるのを防ぐ事ができます。
上塗り塗料が外壁に吸い込まれる事がなく、キレイな仕上がりにすることが可能です。
3)下地への吸い込みを止める
中塗り上塗り塗料が下地に吸い込まれると、艶ムラが起こり、仕上がりに直接的な影響を受けることがあります。
そういった不具合を予防するために下塗り塗料はとても大切な工程となります。
下塗りを行わないとどうなる?!
下塗りの重要性をご紹介しましたので、次に、下塗りを行わないとどのような悪影響が起こるのか解説いたします。
外壁塗装がキレイに仕上がらない可能性大!
下塗りをしないで中塗り・上塗りをすると、外壁材を直接塗装することになります。すると、塗料の気泡、その他の要因により外壁材を逆に傷める可能性があります。
また、表面をきれいに塗装しても、塗料が外壁材に染み込むため、時間が経過すると色ムラ・艶ムラが発生し、キレイな仕上がりの外壁塗装にはなりません。
外壁塗装の耐久性を担保できない可能性大!
上塗りがうまく密着しないため、塗装後早々に塗膜がはがれる・ふくれるなどの不具合が生じます。
外壁材の補修・補強ができないため仕上げの中塗り・上塗りの塗料が外壁に吸い込まれ、早々に塗膜がはがれる、ひび割れがおこる可能性が高くなります。
下塗りの種類
下塗り材にはいくつかの種類がありそれぞれに役割が違います。
1)シーラー
『接着する、覆い隠す』という意味があり、コンクリート等に適用する下塗材です。
・下塗りと上塗り塗料を密着させる
・上塗り塗装の過度な吸い込みを抑える
・塗装面を補強し、コンディションを整える
外壁塗装工事や屋根塗装工事を行う際、仕上げ塗料の接着が悪いと塗膜が剥がれ劣化を起こしやすくなります。シーラーを塗ることで接着剤のような役割をします。なので中塗り、上塗りとの密着を高めます。
2)プライマー
主に鉄、ステンレス、アルミなどの鉄部に使われます。
密着効果を高め、下地への吸い込みを止める為に使用し、接着する効果以外にも凸凹を埋めて、表面を平らにする役割もあります。
サビを除去する能力はないので、塗装前にサンドペーパーなどでサビを除去しておく必要があります。サビ防止効果を持つプライマーもあります。
3)フィラー
『埋める物 詰め物』の意味があり、ひび割れやデコボコを埋め平滑にする為に使う塗料です。
ひび割れを起こしやすいモルタル外壁の下地に良く使われる塗料です。ひび割れ部分に入り込みひび割れを起こりにくくします。
ひび割れをしっかり埋めず工程を進めてしまうと、塗装の意味がなくなってしまいます。
4)サーフェーサー
サーフェーサーは、塗膜の平滑性を向上させるために塗布されるものです。
既存の模様を活かしたい場合や、ヘアークラック(非常に細かい割れ)の下地調整材の役割があります。
5)錆止め塗装
鉄部など錆が発生する下地に対して、錆を抑制する役割と下地の吸い込み止めなどの効果があります。
下塗り施工を行う前に注意すべきこと
下塗り塗装を適切に行うためには、事前準備や気を付けておくべきことがあります。
現在、外壁塗装依頼をご検討の方は参考にしてみてください。
下塗り塗料の色の選び方
一般的には “透明色” “白色” “グレー”が使用されることが多いです。
なぜこの色が使われるかというと、その上に塗る上塗り塗料の色がより綺麗に塗られることを考慮するからになります。
ちなみに、上塗り塗料の色が、“既存の外壁色と大きく変わる場合” “濃い色から淡い色、薄い色に変える場合” は、特に色選びが重要になります。
事前に業者の担当者に確認を行いましょう。
高圧洗浄で外壁の汚れを落とす
当たり前のことですが、下塗り塗料を塗る外壁が汚れている場合、塗料が密着せず剥がれたり膨れるなどの施工不良が起こります。
また、高圧洗浄で汚れを落とした後、1〜3日ほどの乾燥期間が用いられます。
外壁が乾燥する前に、下塗り施工に入ってしまうと同じように施工不良が起こる場合があるので、施工の流れを確認する際に注意して見てみましょう。
中塗り塗料と上塗り塗料の関係
下塗り塗料は様々な種類があり、同様に中塗り上塗り塗料にも様々な塗料がございます。
その様々な種類の塗料には相性があり、仮に相性の良くない塗料同士で施工を行っていますと、うまく密着せず、外壁塗装が早々に駄目になる場合があります。
こちらも塗装業者の担当者に事前に確認しておきましょう。
下地の外壁材で変わる、下塗り塗料の紹介
外壁材には、様々な種類があり、その中でもぬりかえ工事が多い外壁種類によく組み合わせる下塗り塗料をご紹介いたします。
モルタル外壁(吹き付けタイル・スタッコ)
木造住宅で使用されている硬質系もしくは弾性系の吹き付け仕上げの外壁です。
特徴としては、経年劣化によりヘアークラック(非常に細かい割れ)や開口部回り(窓、玄関の周りなど)にクラックが発生しやすいです。
その為、下塗りはヘアークラックやクラックに強い「サーフェーサー」や「フィーラー」などが用いられることが多いです。
モルタル外壁(吹き付けタイル・スタッコ)の下塗りで使用されるの代表的な塗料
モルタル外壁(砂状吹き付け)
木造住宅で使用されている石や砂を主成分とした吹き付け仕上げの外壁です。
特徴としては、経年劣化によりヘアークラック(非常に細かい割れ)や開口部回り(窓、玄関の周りなど)にクラックが発生しやすいです。
また、表面についている石や砂がボロボロと剥がれ落ちてくることがあります。
そのため、石や砂が落ちないように「シーラー」や「プライマー」で表面を固める必要性があります。ひび割れなどが特に多い場合などは、「サーフェーサー」や「フィーラー」をその上に施工する必要があります。吸い込みムラなどが発生しやすく、高い技術力が求められます。
モルタル外壁(砂状吹き付け)の下塗りで使用されるの代表的な塗料
(SK化研)マイルドシーラーepo
サイディングボード
今一番主流の外壁材です。木造住宅で、意匠性の高い窯業系ボードを壁に張り上げ
つなぎ目にコーキング処理などを行っている建物です。
そのため、建物の揺れや振動をコーキングが緩和することでサイディングボード自体にひび割れが発生しにくい仕様となっています。
サイディングボードの下塗りは、塗膜厚が厚すぎると意匠性が悪くなってしまうため、「サーフェーサー」や「シーラー」など塗膜厚が厚すぎない塗料を使用することがおすすめです。
サイディングボードの下塗りで使用されるの代表的な塗料
(SK化研)水性SDサーフエポプレミアム
塗装職人が回答!お客様からよくある質問
幅の大きいひび割れや開口部回りのひび割れについては専用のひび割れ補修材で補修します。
また、建物の下地の状況に応じて塗布量が増えることもあります。
一般的な戸建て「30坪」であれば、大体2~3缶程度の使用となりますが、
上記で記載した通り、戸建てによって缶数は変わるため、現地調査をした業者の担当営業マンにヒアリングした方がいいでしょう。
水性塗料の場合、塗装している最中は少し鼻にツンとくる臭いですが、
乾燥後は特に臭いは気になることは無く、無臭に近くなります。
油性塗料の場合は、塗装している最中は、溶剤特有の石油やガソリンの臭いに近いです。
乾燥後は少し臭い残りがありますが、時間が経過するとともに臭いは緩和していきます。
下塗り塗装は業者に依頼した方がいい
只今ご紹介した注意点からも、下塗り塗装には専門的知識や施工技術がないと外壁を正しく守ることはできません。なので基本的にはDIYより塗装専門業者に依頼をするのが良いでしょう。
また、どのような業者、担当者を信用するべきかの判断は、「資格保有者か?」「施工実績は?」「見積もりは詳細にださえているのか?」など、
様々な観点から選ぶことが大切です。
まとめ
下塗りはキレイに仕上げる・耐久性を保つためにも、大切な工程です。
塗装工事の際はどのタイプが下塗りに向いているか、美観を保ち長持ちさせる為にも最適な塗装や塗料選びを、塗装の基本知識に加えて現場経験・専門知識を持った専門業者に依頼を検討してみてください。